ワーケーションの「仕事の楽しさ」とは「自分らしく働く」こと
Myoko Workation column
こんにちは、妙高ワーケーションセンターの竹内義晴です。いつもありがとうございます。
これまで、わたしたちが取り組んでいるワーケーションの「4つの目的」についてお話してきました。
ワーケーションの「4つの目的」とは……
今回は、4つの目的の最終回。「Work Motivation:仕事の楽しさ」について、妙高市の取り組みとともにご紹介したいと思います。
ワーケーションの「仕事の楽しさ」に、どんな意味付けができるだろう?
ワーケーション市場を分析して分かった理想と現実、そして、方向性でもお話しましたが、わたしたちがワーケーションの取り組みをはじめたとき、「企業と個人」「仕事と休暇」という4つの軸に分けて、市場を分析することからはじめました。
ここで見えてきたのは、「ノマドワーク」や「リゾートで仕事」のような一般的なワーケーションは、「個人に向けた観光商品」ということでした。また、調べてみますと、このような働き方ができるのは、経営者やフリーランサーなど、労働人口の5%ほどの、限られた人だけということが分かりました。
さらに、ワーケーションを「自分ごと」として考えたとき、「観光の合間に仕事をする」「仕事の合間にアクティビティをする」といった形で同僚に伝えるのは伝えづらく、理解も得づらいと感じます。
そこで、せっかく、ワーケーションを推進するなら、限られた一部の人たちだけではなく、多くの方が取り組める形にしたいし、上司や同僚に対して、「妙高へ行くんだ。仕事で」と、自信を持っていっていただけるようにしたいと考えました。
そこで、4つのマトリクスに対して、企業×仕事は「社員の人材育成」、企業×休暇は「社員の癒し」、個人×仕事は「仕事の集中」という意味をつけました。
※こちらは古いバージョンの「4つの位置づけ」。「仕事の楽しさ」が、ノマドワークやアクティビティなどになっている。
このように分類することで、ワーケーションがとても理解しやすくなりました。
しかし、「個人×休暇」がノマドワークやリゾートで仕事のままでは、実際にできる人が少なく、周囲からの理解が得づらいことには変わりがありません。
そこで、改めて考えました。「ワーケーションによって得られる”仕事の楽しさ”って、何だろう?」
ワーケーションの「仕事の楽しさ」とは「自分らしく働く」こと
浮かんだのは「多様な働き方」という言葉でした。
個人的な話で恐縮です。私は妙高市を拠点にしながら、2017年からサイボウズという東京のIT企業でもはたらいています。「週2日社員」「複業」「フルリモートワーク」という形ですが、働き始めて比較的早い段階でこう思いました。
「もしも、私の逆の働き方──つまり、地方の企業に、都市部の人たちが複業すること──ができたら、人材不足に悩む地方の企業にとっても、地方に関心がある都市部の人にとってもいいのではないか」と。このようにすれば、仕事を通じて地域と都市部を行ったり来たりする理由ができます。
また、このような「自分らしい働き方」ができれば、仕事や生活に張り合いが出るかもしれない。それは、「仕事の楽しさ」といえるかもしれない……。
というわけで、「仕事の楽しさ」に、「会社は都市部で、地方に住む」「地方で複業する」「自分らしく働く」のような、「多様な働き方」という意味をつけました。
※こちらは現在の「4つの位置づけ」。「仕事の楽しさ」に、複業など「自分らしい働き方」という意味をつけることで、方向性がはっきりした。
こうして、「企業と個人」「仕事と休暇」の4つのマトリックスにそれぞれの意味付けができたとき、「あぁ、ワーケーションとは、つまり、こういうことなのか」と、わたしたち自身、腑に落ちたのです。
「複業マッチング」──妙高市の取り組み
ここで、妙高市で取り組んでいる「仕事の楽しさ」の取り組みである「複業マッチング」について、簡単に紹介させてください。
複業マッチングを一言でいえば、経営やIT、Web、PRといった分野で、人材不足などに悩んでいる地域の企業と、都市部で「これまで培ってきた業務スキルを、複業という形で、地域に生かしたい」と思っている人たちをマッチングする取り組みです。
この記事を公開した2021年8月現在、複業マッチングを事業化する取り組み「複業人材チーム」を結成。現在、仕組みづくりやマッチングに取り組んでいます。
地域複業はまだまだ新しい働き方であり、取り組みであるため、地域の企業の理解や、仕組みを継続するためのマネタイズなど、さまざまな課題があります。
しかし、それ以上に、人口減少や人口流出をはじめ、地域には喫緊の課題があります。仕事を通じて、地域と都市部を行ったり来たりできる取り組みとして、形にできるといいなと思いますし、複業を通じて妙高に関わっていただくことで、妙高との関係が生まれ(つまり、関係人口ですね)、地域の役に立つことで自己肯定感や、貢献感が生まれて、それが仕事の楽しさにつながったらいいなと思っています。
ワーケーションとは「働き方、学び方の多様化」
さて、これまで数回にわたって、わたしたちが取り組んでいるワーケーションについてお話してまいりました。
わたしたちが取り組んでいるワーケーションは、いわゆる一般的なイメージである「仕事と休暇の組み合わせ」とは、異なるのかもしれません。ひょっとしたら、「そんなの、ただの仕事じゃないか」「研修じゃないか」「ワーケーションとは言えないんじゃないの?」といったご意見もあるかもしれません。
一方で、わたしたちがワーケーションを「休暇」や「観光」ではなく、「仕事」と捉えているのは、ワーケーションが一部の、特別な人たちだけではなく、多くのビジネスパーソンが関われるような形にしたいことと、「楽しそう」「おもしろそう」といった雰囲気だけではなく、実務に役立つような「価値」をご提供したいから。
それが、わたしたちが考えるワーケーションなのです。
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