ワーケーションは福利厚生なのか?──過度なストレスを経験したからこそ思うWork Relaxationの大切さ

Myoko Workation column

こんにちは、妙高ワーケーションセンターの竹内義晴です。

前回の記事では、企業の人材育成に生かす「研修型ワーケーション」の事例──Work Educationがもたらすものと題し、企業における、人材育成文脈でのワーケーション事例をお話しました。

なお、妙高市では研修型(社員の人材育成)の他にも、以下の4つの形をご提案しています。

  1. Work Education:社員の人材育成
  2. Work Relaxation:社員の癒し
  3. Work Concentration:仕事の集中
  4. Work Motivation:仕事の楽しさ

今回は、この中で「社員の癒し」についてご紹介したいと思います。

ワーケーションは、福利厚生として語られることも多いですよね。もちろん、福利厚生の意味もあるかと思います。一方で、福利厚生以上の文脈もあるのではないかと思っています。それは、社員のみなさんの「癒し」以上に大切なことです。

「根を詰める」こと、ありますか?

みなさんは、仕事で「根を詰める」ことがありますか? わたしはあります。

「企画をつくる」「記事を書く」「プログラミングをする」……このような、集中して仕事をしているとき、「ちょっと気分を変えたい」と思うことが、本当によくあります。

「気分を変えたい」と思うとき、わたしが日常でよく行っているのは、「自然に触れる」ということ。

たとえば、わたしはいま、妙高ワーケーションセンターの拠点でもある「ハートランド妙高」という、新潟県妙高市にある都市農村交流施設で仕事をしています。周囲には畑が拡がっており、気分を変えたいときは建物のまわりをぐるっと一周したり、事務所のそばにある畑を耕して体を動かしたりしています。

ハートランド妙高

自然に触れることで、ことのほか気分を変えることができ、再び、集中モードに戻ることができます。

また、ハートランド妙高で働き始める前は、在宅勤務でテレワークをしてきましたが、根を詰めたときは、車で5分ぐらいのところにあるいもり池に行き、缶コーヒー片手に、池のまわりを散歩したりすることもありました。時間としてはわずかな散歩ですが、気分を変えることができました。

いもり池

ワーケーションというと、「仕事と観光」「仕事とアクティビティ」といったイメージになりがちですが、私の経験では、自然の中を散歩したり、畑で軽く体を動かしたりする感じが、ちょうどいい気分転換になっています。

自然とストレス改善

これまでお話してきたように、根を詰めたような状況の気分転換なら、土に触れたり、自然の中を散策したりすることで、気分を整えることができます。加えて、やや重い心と体の改善にも、自然は効果的だなと思っています。

こちらも、個人的な体験で恐縮です。わたしには以前、プレッシャーをかけて人を動かすマネジメントや人間関係のストレスを受けて、心が折れかかっていた経験があります。散歩している犬や、空を飛んでいる鳥をみては「自由でいいなぁ」と羨んでいましたし、会社にも行きたくなく、毎日鬱々した気持ちで仕事をしていましたから、かなりのストレスでした。あのときは本当につらかった。

そんなときに、心と体を整える上でとても役だったことの1つが「野菜を作ること」でした。

実は、わたしは現在も畑で野菜を作っているのですが、軽く汗をかくぐらいに体を動かすと、単純に気分転換になります。また、種を蒔いたり、稲を植えたりする単調な作業は無心になれ、頭の中を空っぽにすることができます。

また、時には、植物の成長に自分自身を重ねて「何の肥料も与えていないのに、雑草の生命力はすごいなぁ」と感じたり、「種を蒔くのはタイミングがあるんだよな」「どんなにたくさん肥料を蒔いても、急に育つわけではないよな」のように、ビジネスで大切なエッセンスを学んだりすることもありました

森林セラピー/クアオルトを生かした健康改善

これまでお話してきたような経験があるだけに、自然はストレス改善に効果があると、個人的に感じてきました。

実際、自然環境は健康を保つ効果があるようです。

たとえば、森林セラピーというプログラムは、科学的な証拠に裏付けされた森林浴として知られています。妙高市は「森林セラピー基地」「森林セラピーロード」として平成20年4月、林野庁から認定されています。

また、クアオルトというドイツ発祥のプログラムは、Kur(治療・療養・保養のための滞在)+Ort(場所・地域)という意味があり、自然が治癒、緩和、予防に効果のあることが知られています。妙高市は、全国7市2町で取り組まれている日本型クアオルトの拠点となっており、妙高型クアオルトとして、企業のみなさまの健康を促進するプログラムもあります。

ワーケーションと福利厚生

ワーケーションは、よく、福利厚生文脈で語られることがあります。

「福利厚生」とは、給与や賞与といった基本的な労働対価に加えて、従業員や家族に提供する「労働対価以外の報酬」です。大きく分けて「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の2つに分けることができます。

法定福利厚生

法定福利厚生とは、企業が費用を負担して従業員に提供しなければならないと法律が定めているものです。健康保険、介護保険、厚生年金保険、雇用保険(失業保険)、労災保険、こども・子育て拠出金が該当します。

法定外福利厚生

法定外福利厚生とは、法定福利以外に追加されたものです。たとえば、住宅手当、通勤にかかる交通費、健康診断や人間ドックの受診料、育児や介護支援、体育やレクリエーション、慶弔や災害に関すること、持株会などの財産形成、職場環境、資格取得など業務に関すること、自己啓発、休暇などが該当します。

こう考えると、ワーケーションは法定外福利厚生ということができそうです。

ワーケーションは福利厚生なのか?

さて、ここまでお話してきたように、自然には、ビジネスパーソンの心や体の健康を保つ上で重要な役割があるのではないかと、私自身の体験としても感じてきました。そういう意味では、福利厚生といえそうです。

一方で、心と体のバランスを崩した経験があるだけに、あえて申し上げますが、レクリエーションと同列に並べられるような福利厚生でいいのかな? という気もします。心と体の健康というと、個人の責任のように感じられるかもしれません。しかし、企業活動を行う上で、社員のみなさまの心と体の健康はとても大切です。社員のみなさんが充実した気持ちで、楽しく働くために、何ができるでしょうか。

心や体の健康にもっとも影響を与えているのは、職場の人間関係やコミュニケーションなのではないでしょか? 楽しく働くことができる会社なら、そもそもストレスを抱えることはありませんし、コミュニケーションがよく、心理的に安全で、どんな悩みも共有できる会社なら、心と体のバランスを崩すこともありません。

そういう意味では、健康経営でもっとも大切なのは、コミュニケーションがよく、社員のみなさまが楽しく働くことができる職場づくりと、心と体を整えること。この、両輪がそろってこそ、不確実で変化の早い社会を柔軟に乗り越えていく会社づくりができるのではないかと思っています。

というよりも、そういった働き方ができると、社員のみなさんは幸福に働けることができるのではないでしょうか。

こういった取り組みが、ワーケーションで実現できるといいのではないかと思っています。

ビジネスは心と体の健康から

コミュニケーション改善や職場づくり、ストレス改善など、多くの企業研修にたずさわってきました。良好なコミュニケーションと、安全・安心な職場づくりで、御社に最適な「癒しのワーケーション」をご提案します。