妙高ワーケーションの「ならでは」は、ここにしかいない「特別な存在」だった

Myoko Workation column

こんにちは、妙高ワーケーションセンター ワーケーションコーディネーターの竹内義晴です。

ワーケーションの仕事に携わっていると、よく質問される言葉があります。それは……

「”妙高ならでは”って何ですか?」

ちなみに、「ならでは」を辞書で調べてみると、「…に固有の」「…に特徴的な」「…だからこそ」のように書かれていました。「ただ…だけ」という意味ですね。

「妙高ならでは」って、何だろう?

そこで、この記事では「妙高ならでは」について考えてみたくなりました。

わたし(竹内)の素性

「妙高ならでは」のお話をする前に、わたし(竹内)がどういった素性(出身地はどこで、どのような育ち方をしてきたのか?)について、簡単に紹介させてください。なぜなら、「地元出身か」「移住者か」などによって、地域に対する見え方は違うのではないか? と思うからです。わたしの素性を知ったうえで、この記事をお読みいただきたいと思いました。

わたしは新潟県妙高市出身です(つまり、地元ですね)。中学を卒業して神奈川県横浜市にある高校に進学し、1998年、28歳のときにUターンしました。

「生まれと育ちは妙高。若い時は神奈川。そして、ふたたび妙高へ」が、妙高との関わりです。

ちなみに、地元のことは好きですが、「妙高大好き!」というよりは、「常にそこにあるもの」「空気のような存在」という感じのほうが強いです。それはまるで、熟年夫婦のようなイメージ(笑)かもしれません。普段、そんなに「好き好き」言っているわけではないけれど、とても大切な存在……という感じ。

よく耳にする「妙高ならでは」

さて、「妙高ならでは」に話を戻します。

「〇〇ならではって何ですか?」という質問をするとき、相手に期待するのは、きっと、「ここが特別!」みたいなことを知りたいのではないかなぁと思っています。

ひょっとしたら、それは「地元民しか知らない〇〇」といったことかもしれません。あるいは、「他にはない文化」みたいなことかもしれません。自然、食、温泉……その要素はさまざまですが、「特別な何か」を期待しますよね。

妙高の自然や食、温泉、文化といった資源は、それはもう特別です。特に、青、白、緑のグラデーションが美しい春の妙高は特別です。

また、春の山菜や笹寿司といった郷土料理も、個人的に大好きです。「これこれ! 妙高と言えばやっぱりこれよね」と思います。

そのほかにも、具体的な店名は挙げませんが、「妙高へ来たら、これを食べとけば間違いない!」みたいな、全国的にも有名なラーメン屋さんだったり、とん汁屋さんだったり。また、妙高には数件の酒蔵がありますが、日本酒だって最高です。

一方で、日本は自然がとても豊かな国なので、自然や食、温泉なら、妙高以外にも、全国各地にステキなところはたくさんあります。また、「おしゃれな街」や「特別な歴史があった場所」などは、妙高以外にもすばらしいところはたくさんありますよね。

うーん。改めて「妙高ならでは」って、何だろう?

妙高にしかない「ならでは」は「人」だった

改めて「妙高ならでは」は何か? と考えたとき、「人」だけは「妙高ならでは」ではないか、と思っています。なぜなら、日本全国どこを探しても、同じ人は誰1人としていないからです。それぞれが特別な存在です。

そういう意味では、妙高には何かしらの「思い」を持っていて、それを実現するために行動している特別な存在、いい意味で「変わった人」がたくさんいるように思います。

たとえば、田辺慎一さんと小野彰太さんは、日本で唯一のアウトドア専門学校「国際自然環境アウトドア専門学校」の先生です。「日本で唯一」という意味では「妙高ならでは」かもしれませんが、それ以上に、 自然のことを語らせたら……いい意味で変態です(笑)。妙高の自然が、ビジネスパーソンにとってどのような「学びのフィールド」になるかを、真剣に考えています。特別な存在です。

また、こちらの長野康之さんは、自然や野鳥の生態から、環境の変化や多様性について研究をされている専門家です。先日、あるIT企業のみなさんがワーケーションにいらっしゃったときに野鳥観察を行ったのですが、長野さんはこう言います。

「自然には、全く無駄がないんです。とても合理的にできています。それに比べて、わたしたちの生活や仕事はどうですかね?」

このように問われると、つい、考えてしまいます。「いまの仕事のやり方でいいのかな?」と。ビジネスパーソンにも役立つように話されるお話がめちゃくちゃ深く、面白い。他に類をみない特別な存在だと思います。

もうお一人。こちらは、「国立妙高青少年自然の家」の室井さんです。2022年3月に親子ワーケーションを行いましたが、室井さんの地域や子どもたちに対する想い、接し方、自然との関わり方は「プロだな」と思いました。本当にお世話になっています。もう、特別な存在です。

また、手前みそになってしまうので大変恐縮ですが、複業のような形でいろんな企業や組織の人たちとの関わりがあるわたし個人が客観的な視点からみて、ワーケーションにおける妙高地域内での工程や宿泊先、移動手段を手配している妙高市グリーン・ツーリズム推進協議会のメンバーも、特別な存在だと思っています。

これまで、小中高校をはじめ、さまざまな学校の修学旅行や農泊・民泊といった体験学習旅行の手配を、地域の関係者と協力しながら取り組んできています。地域横断でさまざまな関係者を巻き込み、多くのみなさまを受け入れるのは容易なことではありません。安心・安全なワーケーションは、信頼できる地域のオペレーターがいるからこそだと思います。

身内を褒めるなって話ですね。すみません。

妙高の取り組みは、こういった「妙高ならではの人」とつくっています。そこから生まれるものは、間違いなく「妙高ならでは」なのではないかと思っています。

「プロ」がつくる企業向けプログラムも「妙高ならでは」

もうひとつ、「プロ」がつくる企業向けプログラムも、「妙高ならでは」だと思っています。

ワーケーションは一般的に「ワークとバケーションの組み合わせ」と言われていますが、さまざまな地域の取り組みをみていると、最近はバケーション色が薄れて、「企業研修型」「地域課題解決型」「会議・合宿型」など、ビジネス寄りになってきているように感じています。

もっとも、企業としては経費で落とせないと困るので、「バケーション」ではなく、実務的な方向に向いてくるのも自然な流れだと思っています。

一方で、それはワーケーションが「業務として」「仕事として」取り組むことになるので、「業務に役立つか」が気になるところ。

その観点では、先ほどご紹介させていただいた「国際自然環境アウトドア専門学校」の先生方と、人材育成の企業である「日本能率協会マネジメントセンター」と企画したラーニングワーケーションは、「プロがつくった」「妙高ならでは」のプログラムだと思っています。普段いる環境(ホーム)を離れて、異なる環境(アウェイ)に身を置くことによって得られる気づき、学び、発見を促す越境学習プログラムです。

ナビゲーショントレッキング

もう1つの「妙高ならでは」は、「プロがプログラムを組み立てる」点です。わたくしごとで恐縮ですが、ワーケーションコーディネーターの竹内は、ワーケーションの取り組みの他に、組織づくりやコミュニケーションなど、人材育成の企業研修に携わっています。課題感などをお知らせいただければ、地域の資源を生かしながら、「チームで楽しむ」のならばそのように、「ガチで学ぶ」のならばそのように、目的に合わせてプログラムを作成します。企業研修の実務家がつくるので、企業の「業務に役立つ」という意味では他に類を見ないのではないかと思っています。

というよりも、本来、企業の研修や合宿というのは画一的なものではなく、企業の事情に合わせてつくるものなんですよね。

妙高ならでは、は「人」

……というわけで、妙高ワーケーションの「ならでは」について見てきました。

「”妙高ならでは”って何ですか?」

この質問、本当によくいただきます。

妙高の自然や食、温泉などの資源はもちろん特別ですし、「妙高ならでは」です。でも、本当の「妙高ならでは」は「人」なんだろうな、きっとそうだな、と、この記事をまとめてみて気がつきました。

よく考えてみたら、自然や温泉といった資源は、大いなるものから与えられたものですが、それ以外の食や文化、ワーケーションのプログラムをつくっているのは、そもそもが「人」です。その「そもそも」に恵まれているのが「妙高ならでは」だと思います。

動画でもお話しました

毎月、妙高ワーケーションおしゃべり会を開催しています。この動画は、「妙高ならでは」についてお話した回の模様です。