【研修型ワーケーション事例】ワークスタイルが変化する時代のチームワークとエンゲージメント
Myoko Workation column
2021年11月15日~17日にかけて、妙高ワーケーションセンター モニターツアー『ワークスタイルが変化する時代の企業研修とは? エンゲージメントを高める組織づくり』を開催しました。
本ワーケーションは企業研修型です。2社6名の方にご参加いただきました。
この記事では、今回のモニターツアーについてレポートします。研修型ワーケーションを検討される際の一助になれば幸いです。
通常の企業研修と今回のツアーの違い
まず、通常の研修と、今回のツアーの違いについてお話します。
企業における一般的な研修では、大きく分けると2つのタイプがあります。1つは、研修会社が企画・運営しており、社員が個人として参加する「外部研修型」。もう1つは、講師が企業に出向き、社内で集合研修を行う「インハウス型」です。
外部研修型は、事前にプログラムが決められており、他社の参加者と一緒に受講します。そのため、研修内容のほかに、普段触れることのない他社の人たちと交流することで新たな気づきが得られるのが特徴です。インハウス型は、企業の課題に合わせて講師が最適なコンテンツを都度組むため、内容が柔軟にできることが特徴です。
今回は複数社の参加がある「外部研修型」と、事前に課題をヒアリングし、コンテンツを組む「インハウス型」の両方を取り入れたハイブリッド型で行いました。
今回のテーマと、選定した理由
今回のテーマは『ワークスタイルが変化する時代の企業研修とは? エンゲージメントを高める組織づくり』です。
このテーマにした理由は、「働き方が急激に変わっているから」です。
テレワークや在宅勤務広がりにより、時間や場所の制約がない働き方が広がっています。必ずしも会社に行かなくてもよくなり、チャットツールやテレビ会議に慣れれば、業務上の支障も少なくなってきています。
一方、HR総研の社内コミュニケーションに関するアンケート2021によれば、「7割が社員間のコミュニケーション不足は業務の障害になると感じる」「コロナ禍において社内コミュニケーションが「悪化している」企業が4割」といった結果となっており、多くの企業で、コミュニケーションの分断やエンゲージメントの低下が起こっています。
そこで、各企業にどのような課題があるのか? そして、チームとしての理想は何なのか? そのために、いまできることは何か? を、参加者のみなさまと一緒に考える機会にしたいと考えました。
ワーケーションと越境学習
また、今回は「越境学習」を意識しました。越境学習とは、日常とは異なる環境(つまり、非日常)に身を置くことによって得られる気づきや学びのことです。
経済が成熟した日本の社会では、「新たな発想」や「クリエイティブなアイデア」が求められています。また、VUCA時代と言われる現代は、先行きが不透明で、「これが正解」というものがありません。
「新たな発想」には、気づきや発見が大切ですが、普段と同じ場所で、社内の、同じ価値観の人たちとの交流ばかりでは、気づきや発見は起こりにくいものです。
そこで、普段とは異なる「場」や、普段とは異なる人との「価値観の交流」、普段考えることのない「問い」によって、気づきや発見を得ようとするのが越境学習です。
ここからは、時系列に沿って、今回のワーケーションについてレポートしていきます。
今回の工程
工程は、次の通りです。
■11/15
・14:00 集合 アイスブレイク・イントロダクション
・14:30 ワークショップ「働き方の変化で起こる組織の課題」
・17:00 フリー
・18:30 夕食・懇親会■11/16
・07:30 朝食、チェックアウト
・09:00 ハートランド妙高へ移動
・09:30 ワークショップ「チーム de そば打ち」
・12:00 昼食
・13:00 トレッキング
・14:00 フリー
・16:00 ワークショップ「ウィズコロナ、アフターコロナの組織作り」
・17:00 焚火
・18:00 夕食■11/17
・06:15 野鳥観察
・08:00 朝食
・09:00 フリー・チェックアウト
・10:30 振り返り
・12:00 昼食
・13:00 解散
研修型ワーケーションとはいえ、時には、業務上の対応をしなければならないこともあるものです。時間にはゆとりが持てる(業務に必要な対応ができる)ようにしています。
1日目:ワークショップ「働き方の変化で起こる組織の課題」
ワークショップ「働き方の変化で起こる組織の課題」では、「数値化」という独自のメソッドを用いて、現在の状況や理想的な姿を言語化しました。
普段、仕事の中で何かしらの課題感があっても、改めて言語化することは少ないものです。また、「本当は、チームとして〇〇していきたいよね」といった、感情レベルの共有は、あまりすることがないでしょう。
日常とは「場を変える」ことによって、また、異なる企業の人たちと「話す」ことによって、さらには、普段あまり考えることのない「理想的な状態は?」などと問いかけられることによって、思考や言語化や思考が進み、新たな気づきや発見が起きやすくなります。
参加された方からは……
- 他社の企業さんも参加されていたため、お話がとても刺激になった
- 「組織の課題」というタイトルでありながら、「できていること」の認識と、「理想の状態」を考えるという手法と、メンバー同士積極的に意見交換をしながら気付きを得られたワークショップだった
との声がありました。
1日目:懇親会
コロナ禍で在宅勤務やテレワークが進む中、「仕事はできても、リアルなコミュニケーションは減っている」と感じている方もいらっしゃるのではないかと思います。
そこで、安全に配慮しながらも、軽くお酒を飲みながら、ざっくばらんに話ができる場をご用意しました。みなさん、久しぶりのリアルな場で、楽しく話されていたようでした。
2日目:ワークショップ「チーム de そば打ち」
「チーム de そば打ち」は、そば打ちを通して、お互いの強みや弱みを知り、チームワークで大切な要素を、共同体験を通じて楽しく学ぶプログラムです。
「チームワークとは何か」を解説したあと、そば打ちの工程の中で、それぞれの強みを生かして役割分担をし、チームでそばを打っていきます。
材料はどのチームも同じですが、チームによって特色が出るのも、楽しさの一つです。
参加された方からは……
- 出来上がったそばにもそれぞれの個性があって、食べるとどれも美味しかった
- 「チームワーク」と見聞きするのと、実際にチームでそば打ちを経験することでは違うと感じた
といった声がありました。
2日目:トレッキング
トレッキングは、国際自然環境アウトドア専門学校の小野彰太さんからご指導いただきました。
国際自然環境アウトドア専門学校と、妙高ワーケーションセンターでは、かねてより、自然体験を通じた「学びが得られるワーケーション」を開発してきた間柄です。
自然の中をトレッキングするだけではなく、考えるきっかけとなるような「問い」を立てて、その、目的や意味を考えながら散策します。「選択肢は無限にある」「選択権は自分たちが握っている」というのが、トレッキングで得た気づきでした。
2日目:ワークショップ「ウィズコロナ、アフターコロナの組織作り」
このワークショップでは、在宅勤務やテレワークによって、働く時間や場所の制約が少なくなっていく中で、企業の新たな課題となっているオンラインコミュニケーションや、リアルな体験の重要性について簡単にお話をしたのち、複業をはじめとしたこれからの働き方や、組織を超えた企業連携など、これからの働き方や組織づくりについてお話をいたしました。
その後、場所を変えて焚火を行いました。
11月中旬という、季節としては寒さを感じる時期でしたが、あたたかい焚火の炎によって一体感が生まれていました。また、ゆらゆらとゆらぐ炎を眺めていると、気持ち的にも落着き、無理に「話そう」としなくても自然と会話が生まれ、ゆったりとした時間を過ごすことができました。
焚火は、最高のファシリテーターだと思います。
参加された方からは……
- セミナーの中で「あなたにとってエンゲージメント(会社への愛着)が高い状態とは?」の問いに、社員が「会社の話を家族や恋人に話したくなったり、外に向けて話をしている時」と回答していたが、社内での出来事をイキイキと外部に話したり発信してもらえる会社になりたいなぁと思った
- 焚き火ワーケーションはこれはマストにしたい!!
といった声がありました。
3日目:ワークショップ「野鳥観察による非日常体験」
3日目の朝は、6:15に集合し、野鳥の鳥類標識調査を行いました。
鳥類標識調査は、野生の鳥に個体を識別するための足環を装着して放鳥し、再捕獲や観察によって、鳥類の行動や生態を明らかにし、保全施策や国際協力の推進に役立てる調査です。
この調査は、鳥類について専門的な知識を有し、野鳥を安全に捕獲して放鳥する技術を身につけている鳥類標識調査員(バンダー)のみが行えるもので、今回は妙高市在住で、ライチョウの生態などにも詳しい、新潟ライチョウ研究会代表の長野康之さんにご指導いただきました。
「自然は何の無駄もなく、合理的である」「何も内容に見えるこの自然には、実は、なんでもある」といった視点は、ビジネスにも多いに役立つお話ではないかと思います。
3日目:振り返り
最後に、振り返りを行いました。参加者のみなさんからは、次のようなフィードバックをいただきました。
- オンラインで仕事をする機会が多いので、コミュニケーションについて考えられたらいいなと思っていました。今回参加し、社内のメンバーと直接話をしてみて、画面越しにはわからない雰囲気や人となりがわかって、それだけでも仲良くなった気がします。
- わたしは、組織の中では「適度な対立」があっていいと思っています。でも、それは共通の理想があってこそなんだと思いました。また、普段、都市部で仕事をしているといろいろと悩むこともありますが、大自然に触れてみて、その悩みはずいぶん小さなものだなと感じました。
- 初めてのワーケーションでとても有意義な時間を過ごせました。今課題となっているチームワークについて改めて自分なりに考えることができ、メンバーの考え方なども共有されとてもよかったです。竹内さんのお話するスピード感や雰囲気などがとても妙高の景色とマッチしていて、より豊かな気持ちになれました。初めてのそば打ち体験や、野鳥を身近に感じることのできるプログラムも癒されました。少しの時間でしたがキャンプファイヤーも臨機応変に対応してくださり、癒され・楽しさ度も増し増しでした。ありがとうございました。
- 竹内さんが「普段会社で話せないことを妙高で話そう」っていうコンセプトいいなあ、とつぶやいておられましたが、まさにそんな感じでした。「へ~、この人こんなコト考えてたんだ」っていう気づきは、今、社内のコミュニケーションで必要なのかもしれません。しかも、普段席を共にしていない他部署同士なんかいいですね。話しやすくて。中小企業向けのコンテンツに良いと思いました。
- 貴重な機会をいただきありがとうございました。普段、漠然と考えていた課題事項が、質問される→回答する、書き出す、という実作業をする事によって、明確になりました。良い機会(場)をご提供いただきました。
- 「ワークスタイルが変化する時代のチームとは?」エンゲージメントを高める3日間!と題して参加した通り、それぞれのエンゲージメントが高まったと思います!
全体のまとめ
企業研修型ワーケーションを企画するにあたり、「研修としての価値があること」「越境学習になること」「(業務の対応などに備えて)時間的な余裕があること」「駅到着後の移動時間はできるだけ短いこと」など、いくつかの点について留意しています。
このような留意点は、企業にとってさまざまだと認識しています。例えば、「もう少し時間の余裕を持たせたい/学びの時間を増やしたい」「研修寄りにしたい/開発合宿のように、内容は自分たちで考えたい」「ガチな研修型にしたい/せっかくなら懇親や観光的な要素も少し入れたい」など、さまざまなご要望があろうかと思います。
そのような、企業のみなさまのご要望に柔軟に対応できるのが、独自にコンテンツを組んでいる妙高ワーケーションの特徴です。
今回、ご参加いただきましたみなさま、ありがとうございました。みなさまとご一緒させていただき、光栄でした。
ご参加いただきました企業さまのレポート
今回、ご参加いただきました株式会社ジョイゾーさまのレポートも合わせてご覧ください。
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