フラットな関係で「会う」場を設計する──テレワーク時代のチームづくり

Myoko Workation column

妙高ワーケーションセンター ワーケーションコーディネーターの竹内義晴です。

テレワークの広がりによって、在宅や旅先など、働く時間と場所の制約がなくなりつつあるいま、その恩恵を受けている方も多いのではないかと思います。

もちろん、働く環境によっては、テレワークができない方もいらっしゃると思いますが、少なくとも、コロナ禍前と比較すると、働き方の選択肢が増えました。

一方で、「全員が会社に集まって仕事をする」ことが前提だったこれまでと異なり、チームのつくり方も変わってくるのではないかと思っています。ひょっとしたら、課題感も変わってくるかもしれません。

そこで、この記事では「テレワーク時代のチームづくりとワーケーション」についてお話したいと思います。

テレワークでもっとも大きな課題の1つが「コミュニケーション」

働く時間と場所の制約がなくなり、会社ではないところで仕事をする人が増えると、もっとも大きな課題となる1つが、「社員間のコミュニケーション」です。

たとえば「話したい時に話せない」「気軽な雑談ができない」「”あいつ、ちゃんと仕事しているのか”って思われないか?」など、どちらかといえば、仕事以外の課題感が浮き彫りになります。

また、仕事に必要な情報のやりとりは、対面で会話を重ねなくても、チャットツールやグループウェア、あるいはメールなどのオンラインのツールを使うことによって、情報共有しながら仕事を進めることはできます。

しかし、雑談的な会話がしにくくなることによって、「人となりがわかりにくい」といった課題や、「たまには、同僚に会いたい」っていう気持ちの面は、何かしらの対処が必要でしょう。

「チーム」だからこそ感じる孤独感

ここからは、わたしの経験もふまえてお話しさせてください。

わたしがテレワークをはじめたのは、2007年ごろです。サラリーマンをやめて、個人事業主になったのがきっかけでした。

妙高を拠点に、都市部の企業と仕事をしていましたが、そのやりとりは、主にメールか、チャットツールです。当時も、オンライン会議のツールがあったため、必要に応じてリモート会議もしていましたが、いまほど盛んではありませんでした。

2017年から、サイボウズというIT企業で、複業社員として働き始めました。新潟を拠点としていたために、その働き方はテレワーク。フルリモートです。

働き方自体は、同じテレワークですが、2017年までと2017年からのわたしの間にはは、決定的な違いがありました。それは、「組織に所属しているか、いないかの違い」です。

サイボウズに入社する以前は、テレワークをしていても孤独感を感じたことはありませんでした。顧客との関係は、基本、業務のやりとりのみのため、そこまでは深くもありません。

しかし、組織に所属したら、孤独感や寂しさを感じるようになりました。

「この違いは何だろう?」と考えた時、「所属する」ことによって帰属意識みたいなものが出てきたのだと思いますが、チームでいる方が、孤独感を感じやすいのです。

その時の心情は、リモートワークで場所から解放されたのに、精神的に縛られた。けどやってよかった──パリ×新潟からリモートの本音を語ってみたにありますので、よかったら読んでみてください。

「チームでテレワーク」しているからこそ必要なこと

わたしがかつてテレワークで寂しさを感じたように、コロナ禍になってテレワークを始めた方の中には、寂しさや孤独感を感じている方もいらっしゃるかもしれません。

その場合、テレワークだからこそのチーム作りが必要なのではないかと思っています。

たまには「同僚と会いたい」と思うでしょうし、「ざっくばらんに話がしたい」とも思うでしょう。同僚の中に、物理的に離れているメンバーがいたら、「たまには、〇〇さんに会いに行きましょうよ。合宿みたいな形で」といった声があがることもあると思います。

でも、こういった機会は意識的に作らないと実現が難しいし、明確な目的がない中で、単に「そこに行く」というのは難しいのが実際のところかもしれません。

みんなが「フラットな関係」になれる場で集う

このようなお話をすると、「だったら、会社で会えばいいじゃない」という話になるかもしれないですね。確かに、それも1つの方法だと思います。会社でも「会う」「話す」という目的は果たせると思います。

一方で、物理的に「オフィスに集まれる人」と「集まれない人」がいる場合は、少し注意が必要です。オフィスに集まれる人はそれでいいけれど、物理的に離れている人の場合は、言葉にはあまり出しませんが、「わたしは行けないけれど、みなさんはどうぞ」のように、遠慮な気持ちを抱きがちです。

そういう意味では、年に1、2回ぐらいは、物理的に「フラットな関係」で会える場を設定してみるのもいいかもしれませんね。みんなの移動距離が同じぐらいのところで合宿するとか、少し離れたメンバーのところにみんなで会いに行くとか。

そういった、物理的な関わりを作ることも、テレワークによるチームづくりでは大切なのではないかと思います。

また、以前、テレワークをされている企業のみなさんが妙高で合宿をされた際に印象に残っている言葉は「テレワークでも仕事はできるけれど、人となりが分かりにくい。だから、リアルにあって話をするだけでも意味があったし、これからの仕事がやりやすくなりそう」という言葉でした。

企業で取り組むとなったとき、合宿やワーケーションには何かしらの意味を求めるのはとても自然なことだと思います。一方で、テレワークのときは特に、「会って話す」だけでも大きな目的や意味となるので、テレワーク時代のチーム作りには、そのような視点も取り入れてみるといいのかもしれません。

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