ワーケーションにおける生産性と価値――必要なのは「異なる環境」と「人とのつながり」

Myoko Workation column

「ワークとバケーションの組み合わせ」と言われるワーケーション。それだけに、「遊び」や「休暇」のイメージから「仕事は遊びじゃない」「そんな、生産性が落ちるのはダメだ」といった意見があるのは、至極当然だと思います。

逆に、「ワーケーションは生産性が上がる」「ワーケーションは集中できる」「ワーケーションはクリエイティブになる」といった情報もちらほら見かけますが、あくまでも感覚値です。「ホント?」「どんな風に生産性が上がるの?」という気もしなくはありません。

逆に、「ワーケーションはエンゲージメントを高めるために行うのだから、生産性や効率を求めるのは……」といった声もあります。でも、業務で行う以上、生産性にこだわりたくなるのも、当然です。

ワーケーションの生産性って、何なのだろう? ワーケーションの価値とは?

今回の記事では、そんな「ワーケーションにおける生産性と価値」についてお話します。

ワーケーションによる効果

ワーケーションというと、「クリエイティブ」「新たなアイデア」「チームワーク」「生産性」といった言葉とセットで使われることが多いです。

しかし、「どういう状態がクリエイティブなの?」「新たなアイディアが湧いてくるって本当?」「今までの社員旅行との違いは?」と、多くの方が疑問に思っているのではないでしょうか?

株式会社NTTデータ経営研究所の記事、社員が自由な発想で企画・応募できるワーケーション制度を導入によれば、「生産性」の観点から捉えたワーケーションによる効果について記載しています。

本記事によれば、NTTデータ経営研究所は社員のリモートワークと心身の健康の両立に加え、業務そのものに好影響を獲得することを目的として、「ON/OFFiceTM」というワーケーション制度を導入しました。

その結果、仕事のパフォーマンスや生産性が20%向上し、仕事に対するエンゲージメント、活力や没頭感、組織のコミットメントも上昇傾向でポジティブな結果がみられたといいます。

職場やチームにとっての「生産性」

妙高ワーケーションセンターでは、2022年10月11日(火)〜12日(水)にかけて行なわれた、サイボウズ株式会社 コーポレートブランディング部 サイボウズ式編集部の「チームビルディング合宿」をコーディネートしました。

参加者の皆さんは、普段、多くのメンバーがフルリモートで働いているそうです。
リモートワークは、時間の場所や制約がなく、効率的に働けるというメリットがある一方で、社員間のコミュニケーション不足につながるといった課題もあるといいます。

共同体験はもちろん、直接会話することもない中で、一体感を作るのはなかなか難しい状況にあります。

このような課題を解決する一つの方法が合宿型のワーケーションです。普段会えない分、直接会話をしたり、共同体験をすることでお互いの人となりがよくわかったり、オンラインの画面上ではできない情報交換ができたりします。その結果、チームワークがよくなります。

また、合宿のような場を用いて、これまでの活動を振り返ったり、年間目標を集中的に議論したりすると、生産性が高まるでしょう。

また、合宿では、地域の方々をお招きして対談も行う提案をしました。地方の現状やそこに住む人の生の声など、現地でリアルな情報を得ることは、都市部の会議室ではなかなか得られない情報です。こういった価値も生産性の1つだと感じます。

「生産性」のイメージ

ところで、皆さんは「生産性」と聞いて、どんなものをイメージしますか? 恐らく「今までよりも早くできるようになる」「多くのものができるようになる」「数が増える」といったものをイメージされる方が多いのではないでしょうか?

これは、日本経済団体連合会(経団連)が出しているこれまでの社会の変革を表した図です。

狩猟社会から農耕社会、工業社会となり、今は情報社会末期からソサエティ5.0(想像社会)に変化しています。

この情報社会では、情報共有してニーズに合わせてサービスを提供していくことが大事であり、特に人口がどんどん減りつつある日本の社会の中では、それぞれの人の想像力を発揮して、ともに新たなものを作っていくことがとても重要だと感じます。

これからの社会は、利便性や効率性を極めるだけでなく、より多くの人たちが多様な想像力や生み出す想像力を発揮して、お互いの人となりを分かち合い、協力しあう必要があると思います。そのためには、相手をよく知り、対話し、意見が言い合える機会をつくることが重要です。

必要なのは「異なる環境」と「人とのつながり」

新たなアイディアや気付きを得るには、異なる環境と異なる人たちとの価値観の交流や対話が重要です。非日常的な経験でバランスがいろいろと崩れたとき、「価値観の揺らぎ」が起きることで、新たな気付きや発見、成長に繋がります。

ワーケーションを企画する際には、「会社、職場、チームをどうしたいか」といった目的を明確にしましょう。そして、「現状はどうなのか」、「そのギャップを埋めるために何が必要なのか」「オフィスで解決できそうなのか」といった問いを立ててみましょう。

そこで生じる理想と現実とのギャップが、「今までと同じ結果が予想できる」「オフィスで解決できそうにない」のであれば、新たな「場」に「価値」を求めてもいいのかもしれません。

それが会社、職場、チームにとっての「ワーケーションの生産性」であり「価値」なのではないかなあ、と思います。

なお、合宿側のワーケーションを行なう場合、宿泊施設や移動手段の手配はもちろんのこと、地域の内情がよく分かっていて、目的に応じたコーディネートを行なってくれる人の存在が不可欠です。もし、合宿型のワーケーションを企画されていらっしゃいましたら、お気軽にご連絡ください。

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