妙高親子ワーケーションレポート「こんなに楽しそうに旅行する息子は初めて」

Myoko Workation column

こんにちは、妙高ワーケーションセンター ワーケーションコーディネーターの竹内義晴です。

2022年8月21日(土)~23(火)にかけて、「夏休み親子ワーケーション」──自然豊かな高原で大人は仕事!子どもは出会い!を開催しました。親御さん8名、お子さんは下は4歳から上は9歳の9名、計17名にご参加いただきました。

長期休みにおける親子ワーケーションは、前回の春休みに続き、今回が2回目です。親御さんには、お子さんを安心して預けて仕事ができる環境を。お子さんには、豊かな大自然の中で、普段の生活ではできない体験をしていただくことを目的に企画しました。

この記事では、ワーケーション中の親御さんとお子さんの様子についてレポートします。参加者のみなさまの声によれば、「普段では味わえない体験」をされたようです。

親子ワーケーション1日目

1日目の8/21(日)は、日曜日ということもあり、主に「地域を知っていただく日」としました。

まず、宿泊場所である「ロッジ遊山」に集合しました。はじめて顔を合わせる場に、親御さんも、お子さんも、やや緊張気味です。

簡単なオリエンテーションのあと、徒歩で15分ほどのところにある「いもり池」に向かいました。いもり池は、妙高・戸隠連山国立公園にあり、「妙高の、いや、新潟の観光地といえばここ!」と言えるぐらい、景観がとても美しいところです。

当日は、あいにくの曇り空でしたが、いもり池に向かう道中で、親御さん同士で話したり、子どもたちは「栗だ!」「なめくじだ!」など、自然とたわむれたりしました。

そうこう過ごしていると、自然と打ち解けて、いもり池に着くころには距離感も縮まって……

隣接する妙高高原ビジターセンターに着いたときには、自然となかよくなっていました。

ビジターセンターでは、展示されているパネルから、妙高の豊かな四季の変化や雪事情などそれぞれのペースで妙高に触れていただいたようでした。

宿に戻ると夕食です。遊山の奥さんが腕に寄りをかけた料理をみなさんでいただきました。

スタッフはこちらで失礼しましたが、のちに親御さんからうかがった話によれば、子どもたちはいっしょに遊んだり、みんなでお風呂に入ったりと、1日目からすっかり打ち解けていたようです。

親子ワーケーション2日目

2日目の8/22(月)は晴天に恵まれました。親御さんとお子さんは分かれての活動です。親御さんはMYOKO BASE CAMPで1日(9時~17時)ワークタイム、子どもたちは国立妙高青少年自然の家で自然体験です。

MYOKO BASE CAMPは、2022年7月にオープンしたテレワーク研修交流施設です。

コワーキングスペースとシェアオフィス、会議室、飲食ができるコミュニティスペースで構成されています。今回は、コワーキングスペースを利用しました。みなさん、日常の業務を集中して行っていたようでした。

子どもたちが滞在した国立妙高青少年自然の家は、普段、家庭や学校では経験することができない大自然の中での活動を通して、心身の発達に必要な、多様な体験ができる教育施設です。

午前中は、子どもたちが一体となった時間が過ごせるよう、オリエンテーションと一体感を育む体験学習を行いました。遊びのなかで、「どうして失敗したんだろう?」「次はこうしてみよう」など、小学生のお兄さん、お姉さんが、小さい子たちをサポートしながら、子どもたち同士で相談し合い、協力する姿が印象的でした。

午後は、ネイチャーゲームを中心に、妙高の大自然でなければ体験できないさまざまなゲームを行いました。

ネイチャーゲームとは、緑豊かな草木を見て、川の音や鳥の声を聞いて、土に触れ風を感じながら、五感を使ったさまざまなゲームを通して、自然への理解と豊かな感受性を育てる自然体験プログラムです。子どもたちは、初めて見る虫やたくさん落ちている木の実に大はしゃぎ。自分で選んだ葉っぱでじゃんけんしたり、木の模様で顔をつくったり、自然の中にあるもので遊びを創ることの楽しさを学びました。

活動が終わった後は、宿泊先に移動し、夕食。バーベキューと花火大会、スイカ割り、キャンプファイヤーを行いました。

「普段、バーベキューをしますか?」とある親御さんにたずねたところ、「マンションなので……」という回答。「そうか、マンションだとバーベキューはできないな」と、こちらも当たり前のことに気づかされたり、子どもたちの中には、花火やスイカ割りがはじめてのお子さんもいて、よい経験になったようです。

親子ワーケーション3日目

3日目の8/23(火)は、妙高ワーケーションセンター(ハートランド妙高)にて、親御さんはワークタイム、子どもたちは地域体験を行いました。

ハートランド妙高は、妙高山麓都市農村交流施設で、小中高校をはじめとした農泊・民泊体験の受け入れや、農業体験、調理体験、クラフトなど、地域資源を生かして都市部と地域の交流ができる施設です。

親御さんは、施設内で仕事です。

子どもたちは、収穫体験、コースター作り、調理体験を行いました。

収穫体験では、近隣の農家におじゃまして、とうもろこしやトマトなど農作物を収穫しました。

その後は、ハートランド妙高内でコースターづくりです。いろとりどりのタイルを、好きなデザインに並べます。今回に限らず、コースターづくりは子どもたちに人気のプログラムです。

コースターづくりが終わったら、みんなで昼食をつくりました。朝、収穫してきたとうもろこしやトマトを使って、お父さん、お母さんの分も作ります。「小さな子はちゃんと作れるかな?」と心配もありましたが、小さい子から大きい子までみんなで協力しあい、上手につくりました。

メニューは洋風ちらし寿司とポテトサラダです。親御さんといっしょに、みんなで美味しくいただきました。

参加者のみなさまからいただいた声

ここからは、参加者のみなさんからいただきましたご感想(抜粋)をご紹介します。拝見しながら、胸がアツくなりました。

親御さんからみたお子さんの反応

  • 自然体験、友達との交流、BBQ、すべて満足しているようでした。
  • とても楽しかったようです。異年齢の子と楽しく過ごせ、普通の旅行ではできない貴重な経験でした。
  • 正直、集合時は女の子が少なく「娘は大丈夫かな」と思ったのですが、まったく問題なく楽しく過ごしました。帰り道も息子と2人で興奮状態が続いており、本当に楽しい3日間だったようです。念願だったトウモロコシの収穫、初めての子ども達による親の食事までの用意等、間違いなく刺激になった印象があります。
  • 普段はYouTubeやゲームなど1人で遊ぶことが多いので、たくさんのお友達と朝から晩までいっしょに遊べることが楽しくて仕方がない様子でした。3日間が楽しすぎたため、お友達とのお別れが寂しくて振り返りの動画を見たあたりからずっと泣いていて、帰りの新幹線の中や、帰宅後に父親に話をする時にも思い出して泣いてしまうほどでした。息子にとって感情を揺さぶられるような貴重な経験になったようです。
  • 我が家は、キャンプなど自然体験は比較的普段から行っていますが、今回の旅では「知らない方々といっしょに過ごす」という体験を通してよい経験を詰めたのではないかと思います。青少年自然の家だからこその安心感や、当日いっしょに過ごしてくださったスタッフのみなさんも素晴らしかったです。最後、「またおいでー」とおっしゃっていただいて温かい気持ちになりました。
  • いろいろなアクティビティがあったので、子どももその中で気に入ったものを見つけられたのは良かったです。

全体を通してご意見・ご感想など

  • 3泊4日でもう1日あったほうが満足度が高かったです。
  • 勤務時間が9時〜17時30分でして、その時間はきっちり仕事に集中できる環境だとより参加しやすいと思いました。全体的には大満足で、今後も参加したいと思います。
  • 豪雪に制約される冬と違い、自由度がある夏の場合、いろいろとしたくなり、2泊3日は本当に濃く満喫できました。親的には、ロッジ遊山さんも最高(※)でした。個人的には来年夏には1週間の親子ワーケーションにもチャレンジしてみたいと感じました。
  • 妙高の豊かな自然のなか、大人は快適な環境で仕事に集中することができ、おいしい食事やお酒を堪能しながらリフレッシュすることができました。子どもはたくさんの友達と出会っていっしょに大自然でのさまざまな体験や遊びを通じて絆を深め、とても楽しい夏休みの思い出になったようです。こんなに楽しそうに旅行に参加している息子を見るのは初めてで参加できてよかったなと心から感謝しています。
  • 思い描いていた様な親子ワーケーションを体験できて、とてもうれしかったです。ありがとうございました。子どもと離れ、安心して預けることができ、ワークの時間がきちんと取られていることが選定ポイントになると思いました。この親子ワーケーション、子どもが主役、だと思っていまして、出発から帰宅までお預けする「サマーキャンプ」の様なものも多くありますが、それと違う点は、現地でいっしょにいられる安心感だと思います。
  • 初めてのワーケーションでしたが、子ども・親ともに充実した時間を過ごすことができ、ありがとうございました。妙高での取り組みを聞けたり、ほかの参加者の方からリモートワークの様子を聞くといったことも、個人で計画した旅行では得難い経験でしたので良かったと思っています。

※ロッジ遊山さんでは、貸し切りでご対応いただきました。そのため、子どもたちは周囲を気にすることなく活動できました。

今回の親子ワーケーションを通して、思ったこと・感じたこと

今回、親子ワーケーションを開催してみて、運営側として思ったこと、感じたことをまとめました。

在宅勤務により広がるワーケーションのニーズ

春に行った親子ワーケーションでは、「親子ワーケーションに強い関心がある方」が多かった印象でした。職種はフリーランスをはじめ、「働く時間と場所の裁量がある方」が大半でした。

一方、今回は親子ワーケーションが「初めて」の「会社員の方」がほとんどでした。「働き方が変わってきたんだなぁ」と実感しました。

日中の仕事、大事

ワーケーションは、「仕事(ワーク)と休暇(バケーション)を組み合わせた働き方」として広がりました。一方で、企業で働くみなさんを想像したとき、「平日の日中、仕事に集中できること」は、働く場所がどこか否かに関わらず大切だと思っています。

また、仕事をする上で「安心してお子さんを預けられる」ことも、大切だなぁと思います。

ワーケーションの期間はもう少し長く

春に開催した親子ワーケーションでもご意見をいただきましたが、今回も「もう少し長く滞在したい」との声を多くいただきました。

わたしどもの親子ワーケーションでは、「親御さんは仕事を、お子さんは地域の体験を」と活動を分けている関係で、「お子さんの安全をいかに担保してお預かりするか」がもっとも大きな課題であり、チャレンジです。また、「過大な費用感にならないようにするか」も、大切にしたいところです。

1日でも長く滞在いただけるよう、これからもチャレンジしたいと思います。

仕事環境はしっかりと

先に挙げた「日中の仕事、大事」とも関連しますが、快適な環境で仕事ができるワークスペースは、やっぱり大切だなと、みなさまからのフィードバックを拝見して改めて思いました。

今回は不備もあり、参加者のみなさんにはご迷惑をおかけしたところもございました。改善できるよう、関係者にもフィードバックいたします。率直なご意見、ありがとうございました。

わたしたちにとって「何気ない日常」が「特別な体験」に

この企画では、親御さんが「日中、仕事がちゃんとできること」を大切にしていますが、せっかく妙高にご来訪いただくなら、妙高のおいしい食事やお酒も大切にしたいなぁと思っています。また、子どもたちにも「地域ならではの体験をしてほしいなぁ」と、企画側としては思います。

一方、みなさんの声を伺うと、地域側にいる私たちにとって「何気ない日常」が、参加者のみなさんにとって「特別な体験」なのだと思いました。

たとえば、地方に住むわたしたちにとって「花火」「スイカ割り」「キャンプファイヤー」といった体験は、さほど特別なイベントではありません。また、普段食べたり飲んだりしている新潟の食事やお酒は日常です。ですが、来訪者のみなさんにとっては、それが特別のようです。

妙高の大自然など「地域ならでは」も大切にしながら、わたしたちの日常を感じていただけたらと思いました。

新たな出会いが育む子どもの成長に

今回、参加した子どもたちの年齢は4歳から9歳でした。大きい子どもは小さな子どもを気遣う、小さな子どもは大きな子どもをマネる。こうした「異年齢の子どもと接する機会」が、子どもの成長に大切なんだと思いました。

また、普段接していない大人や子どもとの接触が、とても刺激になるんだと思いました。親御さんから見ても、子どもたちの成長を感じたようです。実際の現場で子どもたちと接しましたが、最初はやや緊張感があったものの、すぐに仲良くなる姿には子どもたちの柔軟さに驚きました。

妙高ワーケーションセンターと親子ワーケーションのこれから

ここまで、夏休み妙高親子ワーケーションのレポートをお届けしました。

わたしたちにとっても、とても刺激的で学びが多い機会となりました。ご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました。

テレワークの広がりにより、多様な働き方が可能になったことで、親子ワーケーションのような過ごし方ができるようになりました。

一方で、在宅勤務の広がりによって、仕事と家庭の両立といった、いままでにはなかった新たな課題が生まれているのではないかと思っています。特に、お子さんが家にいる長期休みは、親御さんにとってはさぞかし大変なことでしょう。

こういった、働き方の変化によって起こっている課題を、普段とは異なる環境で、楽しく過ごしながら課題を解決できるのが親子ワーケーションなのではないかと思っています。また、それが、子どもたちの成長の機会になるのだと思います。参加者のみなさんからいただいた声をもとに、これからもよりよくしていきたいと思っています。

さて、妙高ワーケーションセンターの母体である、妙高市グリーン・ツーリズム推進協議会は、「体験・発見・感動の郷」を合言葉に、これまで、小・中・高校、大学などのみなさまに対し、農泊・民泊をはじめとした教育体験旅行、探求学習旅行、修学旅行など、「妙高ならでは」の体験を企画・運営してまいりました。これからも、さまざまな体験・発見・感動をお届けできるよう活動してまいります。

ワーケーションの企画、ご相談ください

妙高ワーケーションセンターでは、大人から子供まで参加できるワーケーションを企画しております。企業単位や学校単位など、柔軟に企画いたします。お気軽にお問い合わせください。まずはお問い合わせフォームから。