実務視点で考える「ワーケーションとテレワークの違い」

Myoko Workation column

妙高ワーケーションセンター ワーケーションコーディネーターの竹内義晴です。

ワークとバケーションの組み合わせと言われるワーケーション。それはまさしく「場所や時間の制約がない働き方」です。

一方、似たような言葉にテレワークがあります。

ワーケーションとテレワークの違いとは、一体何なのでしょうか? そこで、テレワーク歴4年、ワーケーションの事業開発をしている実務家の立場から、ワーケーションとテレワークの違いについてお話したいと思います。

ワーケーションとは?

まず、ワーケーションについてです。

冒頭でお話したように、ワーケーションは「ワーク(Work)とバケーション(Vacation)の組み合わせ」です。「ワーケーション」は日本で生まれた和製英語なのか? ネットの海から初出を探るによれば、その発祥は海外といわれ、2005年ぐらいから使われはじめたようです。日本では2015年ぐらいから使われるようになりました。

日本で多くの人が認知するようになったのは2020年7月27日。当時の菅官房長官が「観光や働き方の新たな方として普及に取り組む」と発言したのがきっかけです。

2020年7月27日のNHK記事菅官房長官 「ワーケーション」普及で観光促進をには、次のような記述があります。

観光や働き方の新たな形として休暇を楽しみながらテレワークで働く「ワーケーション」の普及に取り組む考えを示しました。

出典:菅官房長官 「ワーケーション」普及で観光促進を | NHK

テレワークとは?

テレワークは、テレ(Tele)とワーク(Work)を掛け合わせた造語で、Teleは「離れた所」、Workは「働く」という意味があり、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことをさします。

日本テレワーク協会によれば、テレワークは、

テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。

出典:テレワークとは? | 日本テレワーク協会

としています。

また、テレワークには働く場所によって、大きく分けて4つに分類されています。

  • 在宅勤務
    自宅を就業場所とする働き方。通勤時間の削減、移動による身体的負担の軽減が図れ、時間の有効活用ができる。
  • モバイルワーク
    電車や新幹線、飛行機の中等で行うもの、移動の合間に喫茶店などで行うものも含み、業務の効率化に繋がる。
  • サテライト/コワーキング
    企業のサテライトオフィスや一般的なコワーキングスペースで行うもの。企業が就業場所を規定する場合も、個人で選択する場合も含む。
  • ワーケーション
    リゾートなどバケーションも楽しめる地域でテレワークを行うこと。ビジネスの前後に出張先などで休暇を楽しむブレジャーも含む。

出典:テレワークとは? | 日本テレワーク協会

ちなみに、日本テレワーク協会における、以前のテレワークの分類では、「ワーケーション」は含まれておらず、3つに分類されていました。2020年7月以降のワーケーションの拡がりによって、新たに追加されたようです。

テレワークとリモートワークに違いはあるか?

少し話はそれますが、テレワークと似た言葉にリモートワークがあります。テレワークとリモートワークは、同じ意味合いとしてとらえて問題ありません。

なお、テレワークとリモートワークの言葉の使い方について、個人的な印象では、コロナ禍前は、テレワークは行政系の方々がよく使用しており、企業の現場ではリモートワークを使うほうが多かったような気がしています。コロナ禍になり、テレワークの必要性が多くのメディアで伝えられるようになってからは、テレワークが多く使われるようになってきた印象です。

ワーケーションとテレワークの違いとは?

テレワークが「場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」であり、上記NHKの記事にあるように、「観光や働き方の新たな形として休暇を楽しみながらテレワークで働く」のがワーケーションであるなら、ワーケーションは「テレワークの1つの形」ということができます。日本テレワーク協会の分類も、ワーケーションは「テレワークの4つの形の1つ」として分類されています。

そういう意味では、ワーケーションとテレワークは「違うもの」ではなく、「テレワークという大きなくくりの中に、ワーケーションがある」と理解するのがよさそうです。

また、実際にワーケーションを行うためには、モバイルPCやネットワーク環境など、テレワークができることが前提だと考えると、「テレワークあってのワーケーション」ということができるでしょう。

ワーケーションの未来は?

2020年7月27日に多くの人が認知するようになったワーケーションについて、当時は、「ワークとバケーションの組み合わせ」として、「アクティビティと仕事」「リゾートで仕事」のように、観光要素が強くうたわれました。

そのためか、少なくともわたしの周囲では、「ワーケーションに行く」という人は少なく、いたとしても「どうやって上司を説得しよう」といった声が聞かれました。

しかし、1年を過ぎたいま「ワーケーションに行く」という言葉は、以前より多く耳にするようになりました。

わたしの周囲の人たちが使ってる「ワーケーションに行く」は、「ワークとバケーション」というよりは、「自宅ではない場所で仕事をする」ということを「ワーケーションに行く」と呼んでいるように感じています。それは、必ずしも観光地やリゾートだけではなく、身近なところでも「ワーケーションに行く」と表現しているようです。まさに「場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」ですね。

一方で、テレワークも「場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」であることを考えると、本来はかならずしも「ワーケーション」という表現ではなく、「テレワーク」でもいいのかもしれません。また、ワーケーションの意味は少なく分類しても4つ以上あることを考えると、あえて、ワーケーションという言葉を使わなくてもいいケースもあるのでしょう。

けれども、「ワーケーション」という、それだけでなんだかワクワクする言葉の印象や、すでに「今度、ワーケーションに行くんですよね」という使い方がされ始めていることを考えると、「ワーケーション」という表現があってもいいと思っています。

大切なのは言葉の定義ではなく、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方が一般化し、一人ひとりの価値観や環境にあった、多様な働き方ができること。そして、一人でも多くの人が、その恩恵を実感できること。それが実現するなら、これほどうれしいことはないのではないでしょうか。

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