企業型ワーケーション「企画の立て方」──上司からOKをもらう2つのポイント

Myoko Workation column

こんにちは、妙高ワーケーションセンター ワーケーションコーディネーターの竹内義晴です。

もしみなさんが、ワーケーションにご関心があって、「社内で採り入れたい」「研修型のワーケーションを企画したい」「開発合宿やオフサイトミーティングをしたい」のようにお思いでしたら、「企画を実現したい!」とお思いではないでしょうか。

しかし、それを上司や同僚に伝えると、「ワーケーションって何?」「うちは、ワーケーションはまだいいかな」と言われる……そんなご経験がある方もいらっしゃるかもしれません。

それは、ワーケーションに以下のようなイメージがあるからなのかもしれません。

  • ノマドワーク
  • 旅をしながら働く
  • 観光やアクティビティ+仕事
  • 景色のいいリゾートで仕事

「ワーケーションなんて言っていないで、ちゃんと仕事しろ!」みたいな。

しかし、ワーケーションにご関心があるみなさんにとっては、「観光じゃないんだよ!」「ちゃんと目的もあるんだ!」のように、強い想いを抱いていらっしゃるのではないかと思います。その想い、上司や同僚の方に届けたいですよね。

ワーケーションの価値を上司や同僚に伝えるなら、企業なら企業なりの、話の仕方や企画の立て方があるのではないか? と思っています。そこで、この記事では「企業型ワーケーション、企画の立て方」について、お話します。

企業とワーケーションの「いろんな形」

もし、みなさんが何かしらの形でワーケーションを実現したいなら、まずは、みなさんが実現したいワーケーションの形は何なのかを整理するといいでしょう。そして、「ワーケーション」が伝わりにくければ、別の形で表現することも検討してみてください。

これは、日本ワーケーション協会が整理した「ワーケーション7つの形」です。

ワーケーションと言えば、一般的に「休暇活用型」をイメージされるのではないかな? と思います。休暇活用型とは、「休暇で観光を楽しみつつ、普段の仕事も行う」といったものですね。

一方で、ワーケーションにはいろんな形があります。たとえば、生活 or 働く拠点を移す、分散させる「拠点移動型」や、普段の職場と異なる場所で、集中討議・プロジェクトの立案を行う「会議型」、また、普段の職場と異なる場所で、集中的に研修を行う、教育の場である「研修型」などです。

そのほか、企業間の交流を通じて新たなビジネスを生み出す「新価値創造型」や、地域貢献・地域の課題解決を目指した事業創出を目指していく「地域課題解決型」、保養所・健康増進・リカレント等、社員の動機づけのメニューがある「ウェルビーイング型」など、その形はさまざまです。

「ワーケーションに行きましょう!」では、「ワーケーションて何?」「仕事は遊びじゃないんだよ」などと言われてしまうかもしれませんが、「集中して会議をする」「集中して研修をする」「会議室では得られない学びを得る」「地域課題を自社の商品で解決する」のように表現すると、別の反応が得られるかもしれません。

ちなみに、妙高のワーケーションでは、その目的を大きく分けて4つに位置づけています。社員のみなさんの「癒し」や「人材育成」、個人の方なら「仕事の集中」と「モチベーション高く仕事をする」の4つです。

企業の観点でみると、「社員の人材育成」と「社員の癒し」になりますね。詳しくは、リンク先の記事も合わせてご覧ください。

会社の取り組みにする場合に配慮したいこと

個人でワーケーションに取り組む場合、自分でお金と時間のやりくりができれば、それほど大きな問題にはならないでしょう。

一方で、会社として取り組む場合、何かしらの目的や価値を明確にする必要があるでしょう。その場合、社内の誰かや何かの困りごとが解決するような企画だと、いいんじゃないかな? と思います。

みなさんが「ワーケーションの企画をしたい!」と思う時、何かしらの目的や想いがあるでしょう。それは、「職場のコミュニケーションを良くしたい」「たまには、みんなで気分が変わるような場所で仕事がしたい」といったものかもしれません。

その場合、自分の想い先行で上司や同僚に伝えるケースが多いと思います。「ここに行くと、みんなが仲良くなれるんです」とか、「ここに行くと、集中できます」などといった具合に。

もちろん、自分発信の想いも大切ですが、こちらの「独りよがり」の提案になってしまい、「企画を判断する人」にとっては響かないケースも多いもの。企業型のワーケーションを企画するなら、「なるほど!」「それはいいね!」と、判断する人に言っていただけるような企画にすることが大切です。

企業型ワーケーションの企画をたてる2つのポイント

そこで、会社としてワーケーションの企画を立てる場合、この2点について考えてみましょう。それは……

「誰に」「何と言わせたいか(あるいは、言ってほしいか)」

です。

たとえば、みなさんが「管理職向けの、研修のような形のワーケーションができないかな?」と考えているとしましょう。その場合、企画を伝えたい人は誰でしょうか?

誰に:「社内で研修や組織づくりを企画している人事担当者に」

続けて、想定した人事担当者に、みなさんが考える研修型のワーケーションの企画を提案したときに、「こんなことを言わせたいよな」「言ってほしいな」ということを考えます。たとえば……

何と言わせたいか:「確かにこのプランなら、管理職の課題解決に役立ちそうだな」

と言ってもらえたら、この企画は成功……みたいなイメージですね。「自分がどうしたいか?」よりも、その企画を判断する人から、「何と言ってほしいか?」「何と言わせたいか」ということを、最初に考えてみるのです。イメージとしては、相手の思考の中に入り込んでいく感じです。

「誰に」「何と言わせたいか」を考えたら、そのほかの内容は、そこから逆算する感じです。「管理職の課題解決だったら、そもそも何が必要だろう?」ということを具体的にしていったり、「何があれば、これが解決できるだろう?」と考えたり。そして、そのために必要なことを、この企画に織り込んでいくというのが、企画の立て方です。

開発合宿やオフサイトミーティングなら、どうする?

ここまでは、研修型のワーケーションでしたが、開発部門のメンバーと合宿をしたい場合はどうでしょうか。

誰に:「開発部門のメンバーに」
何を:「最高に良かったです。集中して、かつ、リラックスして仕事ができました。〇〇さん、本当にありがとう!」

そんな風に言ってもらえたらうれしいですよね。企画する際の動機付けにもなります。そして、「この合宿、最高だったな」「〇〇さん、ありがとう!」と言ってもらうためには、何が必要なのかを考えてみます。

その結果、「仕事に集中するなら、むしろ、アクティビティみたいなことはないほうがいいかな」となるかもしれません。逆に、「仕事が終わった後ならば、リラックスできる何かがあってもいいかも?」といった形で思考も広がるでしょう。

企業型ワーケーションの企画は「相手視点」で考えよう

これをお読みのみなさんは、きっとワーケーションを肯定的に捉えられていらっしゃるのではないかと思います。一方で、「ワーケーションって何?」「仕事と休暇の組み合わせ?」と思っている人も少なくありません。

「ワーケーションに行きたいんです!」「合宿したいんです」とストレートに伝えるのもいいかもしれませんが、視点を相手に向けて、相手の課題解決に役立つような企画にすること。それが、企業型ワーケーションの企画をする際のポイントです。

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