第6回 新潟県妙高市 夏休み親子ワーケーションレポート──「仕事だけでなく、自分の時間が過ごせるワーケーション」
Myoko Workation column
妙高ワーケーションセンターでは、夏休み期間に合わせて「親子ワーケーション」を開催しました。
第6回目となる今回は、できるだけ多くのご家族が、ご都合に合わせてご参加いただけるよう、2024年7月21日(日)〜23日(火)と、2024年8月25日(日)〜27日(火)の2回にわけて開催しました。
大まかなスケジュールは、7月・8月ともに同様ですが、7月は親子6組、8月は親子4組の計親子10組20名にご参加いただきました。今回は、10組中6組が初参加、4組がリピーターでした。
この記事では、それぞれの親子ワーケーションでの様子をはじめ、参加者の皆様からいただいたご感想やお子さんの反応についてお伝えします。
夏休み親子ワーケーション 1日目
1日目(7/21・8/25)はこのようなスケジュールです。
- 13:30 国立妙高青少年自然の家 集合
- 13:30~15:00 自己紹介、オリエンテーション、親子でアイスブレイク
- 15:30~16:30 苗名滝フリー見学
- 17:00 宿チェックイン
- 18:00 夕食(夕食後はフリータイム)
私たちの親子ワーケーションでは、1日目は参加者同士に仲良くなってもらうこと、そして、お子さんたちが過ごす施設を親御さんに知ってもらうために、国立妙高青少年自然の家にご協力いただき、アイスブレイクを行っています。
全員で協力してボールを運ぶゲームや、館内にあるチェックポイントを探す「館内フォトビンゴ」などを行い、お子さんたちも自然と会話が増えて、すっかり仲良くなったようです。
国立妙高青少年自然の家を出発したあとは、皆さんに妙高の夏を楽しんでいただきたいと思い、日本の滝百選のひとつ「苗名滝」へ向かいました。
スリル満点の吊り橋を渡り、滝つぼ付近の展望ポイントまで歩きました。落差55mの水しぶきを上げて落ちるさまは大迫力で、参加者の皆さんからも歓声があがりました。
2回目(8月)はあいにくの天候で、妙高高原ビジターセンターの見学に変更しました。動植物の標本や写真パネルに、お子さんたちも興味津々でした。
観光を楽しんだあとは、妙高高原にある宿に移動しました。
アットホームな雰囲気でゆっくり過ごしていただきたいと思い、1回目(7月)は「シルバー音羽」、2回目(8月)は「ロッジ遊山」をご用意しました。どちらも貸切なのでのびのびと過ごしやすく、お庭で走り回って遊べるのも、醍醐味の一つです。
参加者の皆さんからは「ご飯も美味しく、まるで田舎へ帰ったかのように楽しく過ごせた」との声がありました。
夏休み親子ワーケーション 2日目
2日目(7/22・8/26)はこのようなスケジュールです。
親御さん
- 9:00~12:00 MYOKO BASE CAMPにてワークタイム、フリー
- 12:00~13:00 併設のカフェで昼食
- 13:00~17:00 ワークタイム、フリー
お子さん
- 9:30~12:00 国立妙高青少年自然の家にて源流探険
- 12:30~13:30 食堂で昼食
- 13:30~16:30 室内プログラム(クラフト体験など)
親子
- 17:30 宿にて合流
- 18:00~20:00 BBQ、花火
2日目は、親御さんとお子さん分かれての活動です。
私たちの親子ワーケーションでは、親御さんがお仕事中、お子さんは国立妙高青少年自然の家で教育施設の専門スタッフが一緒に活動するため、お子さんを安心して預けることができます。日中は、普段どおり通常の業務に取り組んだり、子どもと離れて自分の時間を過ごしたり、ご自由にお過ごしいただけます。
妙高 親子ワーケーションの特徴は、「日中、親御さんとお子さんの活動が分かれること」です。親御さんは、「通常の業務を、ふだんと変わらず」行うことができます。親御さんがお仕事中、お子さんは「国立妙高青少年自然の家」で活動します。教育施設の専門スタッフが一緒に活動するため、お子さんを安心して預けていただけます。
親御さんの活動
親御さんは、妙高市テレワーク研修交流施設「MYOKO BASE CAMP」にて、ワークタイムを設けました。
参加者の皆さんは、普段のテレワークの頻度について、毎日の方もいれば、週に2~3回の方などさまざまで、中にはテレワーク目的ではなく、親御さん同士の交流や、普段子どもといるとなかなか確保できない「自分の時間」を過ごすために、ご参加いただいた方もいらっしゃいました。
「快適に仕事ができるのはもちろん、気分転換にサイクリングや散歩に行ける周辺環境も最高だった」との声がありました。
また、昼食時には親御さんだけで話す機会もあり、仕事の合間にリフレッシュになったようです。
子どもたちの活動
一方、お子さんは、国立妙高青少年自然の家にて、午前中は源流探険をしました。
「冷たくて気持ちいい〜」と、川の中をジャバジャバ進んでいきます。サワガニやいろんな虫を捕まえて観察したり、膝上くらいまでの深さがある場所を進んだり、妙高の大自然ならではの体験を満喫しました。
活動を終えたあとは、食堂のバイキングで仲良く昼食をいただきました。
午後は、室内にて木を使った工作をしました。ボンドやグルーガンを使ってオリジナルの作品をつくったり、焼板の壁掛けプレートをつくったり、妙高ならではの思い出に残るお土産が完成しました。
今回、意外にも人気だったのが焼き板や火起こしなどの「火を使った体験」です。キットを使った火起こし体験では、なかなか火が付かず悪戦苦闘していましたが、火が付くと「やったー!」と歓声があがり、「一番楽しかった」との感想も多かったです。
宿に戻り、お父さんやお母さんと合流すると、つくった作品を見せたり、今日のできごとを話したりする様子がみられました。
2日目の夜は、交流会を兼ねてバーベキューをしました。私たち運営側も、親御さんから色んな意見が聞けて、大変貴重な機会となりました。
バーベキューの後には、手持ち花火もして、お子さんたちは大喜びでした。
2回目(8月)には宿のオーナーさんのご厚意で、スイカ割りもして大盛り上がりでした。
夏休み親子ワーケーション 3日目
3日目(7/23・8/27)はこのようなスケジュールです。
親御さん
- 9:00~12:00 ハートランド妙高にてワークタイム、フリー
お子さん
- 9:00~12:00 国立妙高青少年自然の家にて森探険
親子
- 12:30~13:30 合流して昼食
- 14:00 振り返り
- 14:30 解散
親御さんの活動
3日目も、午前中は、親御さんとお子さん分かれての活動です。
親御さんには、前日とはまた違った環境で、リフレッシュしてもらいたいと思い、この日は妙高ワーケーションセンターの拠点である「ハートランド妙高」にて、ワークタイムを設けました。
それぞれ、仕事に集中して取り組む様子がみられました。
子どもたちの活動
お子さんは、国立妙高青少年自然の家に移動し、森探検をしました。森の中にあるものを見つけてビンゴをしたり、スラックラインやブランコをしたりして遊びました。
お父さん、お母さんと合流して昼食を食べたあと、全員で3日間の振り返りを行いました。
最後には、お子さんたちがどんな活動をしていたのかをまとめた動画をご覧いただきました。動画内では、お子さんたちに「参加する前の気持ちや楽しみにしていたこと」や「参加してみて一番楽しかったこと」、さらにサプライズで「連れてきてくれたお父さん、お母さんへのメッセージ」も伝えてもらいました。
参加者のみなさまからいただいた声
ここからは、参加者のみなさんからいただきましたご感想(抜粋)をご紹介します。
親御さんからみたお子さんの変化やご感想
- 普段自然の遊びができないので、良い経験になりました。
- 楽しく過ごすことができたようで、帰宅後も参加したお友達と似たような子を見かけるたびに、○○君どうしてるかな?○○ちゃんとまた一緒に遊びたいな等、妙高で出会ったお友達との思い出をたくさん話しており、春や来年も絶対に参加する!と張り切っています。
- のびのびと、自主的に行動しようという気持ちが生まれたように感じます。
- 普段触れることのできない自然の中で思う存分遊べたこと、木工工作や火起こしなどの非日常をとても満喫していたようでした。
- 驚きだったのは本人から「妙高がんばった」という言葉が出たこと。「楽しかった」が出ることは予想していましたが、このプログラムは本人にとってもチャレンジで、単なる楽しさだけでなく成長の一端になったのだなと感じ、嬉しく思いました。
全体を通してご意見・ご感想など
- 親がワークのみに集中できるようプログラムが組まれていて、環境を変えることで、作業効率もモチベーションも上がることが実感できました。
- 仕事でそれほど多くは休みが取れない中で、それでも旅行ができる機会を作っていただけるのはとてもありがたいです。
- 東京に戻ると妙高の静寂(自然の環境)は非常に貴重なものだと痛感します。年に1回でもこのような環境の中でワークできることは本当にご褒美です。
- 思いきって参加して良かったです!送迎付、食事付も有り難かったので、このまま続けてほしいです。
1回目(7月)参加者の皆様
今回の親子ワーケーションを通して、思ったこと・感じたこと
6回目となる今回は、お子さんにより充実した体験を提供できるよう、対象年齢を6歳以上としました。
実際にご参加いただいたお子さんは、6歳〜10歳で、国立妙高青少年自然の家の皆さんには、年齢層にあわせて当日のプログラムを組んでいただきました。1日目は滝、2日目は川、3日目は森と、都会では味わえない妙高ならではの自然体験が盛りだくさんの3日間でした。
今回、初参加の方は、全員が「親子ワーケーションへの参加自体が初めて」でした。また、リピーターの方でも全員が「妙高のみ参加している」とのことで、初めての親子ワーケーションに妙高を選んでいただけたこと、そして「また来たい!」と思ってもらえる体験が提供できていることを大変うれしく思います。
そして今回は、親御さんの中に「ワークではなく、子どもと離れてリフレッシュしたかった」という方もいらしゃいました。
私たちが取り組む親子ワーケーションは、「親御さんが、仕事は普段通りにできる」ことを大切にしていますが、もちろんそれだけではありません。
普段から仕事と子育ての両立をがんばっている皆さんに、普段とは異なる環境で、同じ境遇の参加者の皆さんと交流したり、お子さんと離れて自分の時間を過ごしたりすることで、少しでもリフレッシュできる時間にしてほしいと思っています。
それぞれのご事情や状況に合った「いろんな過ごし方ができる」親子ワーケーションが提供できるといいなあと思いました。
改めて、ご参加いただきました皆様、ご協力いただきました関係者の皆様、本当にありがとうございました。
2回目(8月)参加者の皆様
親子ワーケーションの今後について
今後は、妙高親子ワーケーションの新しい取り組みとして、お子様が日中に妙高市内の保育園や小学校に通える制度の整備に取り組んでいます。
参加者のみなさまからは「毎日リモートでの仕事ができないため、日数が限られる」、「学校に通うのは良い経験だと思うが、戻ってきたときに元の生活やお友達との関係に戻れるか心配」などといった意見もありましたが、「現地の子どもと交流できる」、「普段と違う学校での新たな体験をさせてあげたい」など、制度の利用について前向きな意見も多くあがりました。
長期休みにあわせた妙高親子ワーケーションは、次回は2025年3月の春休みに開催予定です。
また、不登校児の家庭を対象に、お子様が日中に妙高市内の保育園や小学校に通う実証実験も計画しています。ご興味のある方はぜひ、お気軽にご連絡ください。
ワーケーションの企画、ご相談ください